飲食店のメニュー撮影、集客につながる写真の条件|掲載先ごとの要件と当日の段取り

集客につながる料理写真の条件は、おいしそうに見えるかどうかではありません。掲載先の枠で切られても成立する構図か、実物と色や量が一致しているか、何がどれくらい出てくるかを読み取れる情報量があるか。この3つで決まります。撮影の腕より先に、この3つを満たす設計ができているかどうかが結果を分けます。

目次

結論|集客につながる料理写真は「見え方・一致・情報量」の3条件で決まる

MENU PHOTO, THREE CONDITIONS

料理撮影に使うカメラ・撮影機材のイメージカット

メニュー改定に合わせて料理写真を撮り直したい。リニューアルしたので掲載写真を全部入れ替えたい。そう決まったあとで止まるのが、「では、何をどう頼めばいいのか」という一点です。撮影会社に問い合わせても、聞かれるのは品数と日程で、どんな写真を撮るべきかは向こうからは決まりません。

この記事は、飲食店を運営する法人の販促・店舗開発のご担当者、複数店舗を持つ企業の本部のご担当者に向けて書いています。料理写真の善し悪しを「おいしそうかどうか」ではなく、発注前に決められる条件の形に置き直すのが目的です。

「おいしそう」を基準にしない理由は単純です。おいしそうかどうかは、見る人によって答えが変わります。社内で写真を選ぶ会議が長引くのは、この基準で議論しているからです。一方、上の3つは見れば誰でも同じ答えになります。判断がぶれない基準に置き換えると、写真選びも撮影の指示も速くなります。

この記事で扱わないことも2つ書いておきます。ひとつは料金の相場論で、費用がいくらが妥当かは企業撮影の相場を、内訳まで全部公開するをご覧ください。ここでは時間の見積り方だけを扱います。もうひとつは、通販・ECで売る物販の商品画像です。そちらはモールごとの規約が主役になる別の領域で、判断の軸が違います。

私は元カメラマンで、企業からの撮影を直接お受けしていた時期があります。料理の撮影が人物やオフィスと決定的に違うのは、被写体に賞味期限があることです。氷は溶け、揚げ物の湯気は消え、葉物はしおれます。この記事で厨房のオペレーションに紙幅を割いているのは、料理撮影の成否のかなりの部分が、カメラの前ではなく厨房の出し順で決まるからです。

集客につながる写真の3条件を分解する

集客につながる料理写真は、3つの条件に分解できます。①掲載先の枠で切られても成立する構図であること、②実物と色・量が一致していること、③何がどれくらい出てくるかが読み取れる情報量があること。この3つが記事全体の背骨で、以降の章はすべてこの3条件のどれかを満たすための具体策です。

この3条件が効くのは、料理写真が「作品として鑑賞されるもの」ではなく「来店前の判断材料として見られるもの」だからです。この店に入るか、この一皿を注文するかを決めるために見られている。判断材料として使えるかどうかが、写真の役割です。

条件満たさないと何が起きるか撮影時の具体的な対処
①掲載先の枠で切られても成立する構図正方形に切られて主役の皿が欠ける。サムネイルの大きさでは何の料理か判別できず、一覧の中で飛ばされる主役を画面の中央寄りに置き、四辺に切りしろの余白を作る。同じ一皿を引きと寄りの2構図で押さえ、掲載先ごとに使い分けられる状態にする
②実物と色・量が一致している来店したお客様が「写真と違う」と感じる。その落差はスタッフの接客と口コミの両方に跳ね返る店内照明の色かぶりを撮影時に補正する。盛り付けは営業時と同じ分量で出してもらう。撮影用に器や具材を替えない
③何がどれくらい出てくるかが読み取れる情報量価格を見ても注文の判断ができない。結果として、写真がなくても頼めるおなじみの品だけが売れる皿の大きさが分かる対象(グラス・カトラリー・お盆の縁)を画面に入れる。セットやコースは構成が分かる俯瞰を1カット押さえる

①の「切られても成立する構図」は、現場でいちばん忘れられます。ファインダーの中では決まっている構図が、掲載先の一覧では正方形に切り抜かれ、皿の左端が消えます。伝えていなければ、カメラマンはいちばん美しい構図で撮ります。それは仕事として正しいので、指示がなかったほうの問題です。

③の「情報量」も軽視されがちです。寄りのアップだけでは量が分かりません。「この価格でこれだけ出てくるのか」を伝えるのは引きと俯瞰の役割で、セット・定食・コース・宴会プランは特に、構成が分かる1カットの有無で注文のされ方が変わります。

掲載先ごとに、同じ写真の見え方が変わる

同じ料理写真でも、掲載先によって切られ方と表示される大きさが違います。だから「1枚のいい写真を撮って全部に使い回す」という発想が、いちばん先に破綻します。撮影の構図を決める前に、その写真をどこに載せるのかを先に決めてください。この判断の順番は、店の業態や立地が変わっても同じです。

そこで撮影の前に、掲載先の実際のページをスマートフォンで開き、今載っている写真がどう切られているかを見てください。管理画面のプレビューではなく、お客様が見る側の画面で確認します。当日の構図の指示が具体的になります。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィールに写真を追加するときの要件は、Google公式ヘルプ「ビジネス プロフィールに写真や動画を追加する」に記載があります。2026年9月時点で確認できる内容は次のとおりです。

項目要件
形式JPG または PNG
ファイルサイズ10KB〜5MB
推奨解像度縦720ピクセル × 横720ピクセル
最小解像度縦250ピクセル × 横250ピクセル
品質ピントが合っていて十分な明るさのある写真を使用する。大幅な加工や過度のフィルタ使用は避ける

正直に書いておくと、このヘルプページに飲食店・レストランへ特化した写真のガイドは記載されていません。「Googleは飲食店にこういう写真を求めている」という説明を見かけますが、当社が確認した記載範囲に業種別の指定はありませんでした。この記事でも、その範囲を超えたことは書きません。

注目していただきたいのは、推奨解像度が縦720ピクセル × 横720ピクセル、つまり正方形として案内されている点です。撮影データの多くは横長なので、正方形に切り出す工程がどこかで発生します。それを撮影後の編集で行うのか、撮影時に切りしろを見込んでおくのかで、仕上がりの余裕が変わります。

グルメサイト・予約サイト

グルメサイトや予約サイトの画像仕様は、サイトごとに異なります。当社では各サイトの規定を一次情報として確認できていないため、個別の数値要件は書きません。書けるのは設計の話です。掲載先ごとにトリミングの比率や表示サイズが違うため、管理画面で表示のされ方を確認してから撮影の構図を決めてください。

特に効くのは、一覧に並んだときのサムネイル表示です。小さく表示されたときに何の料理か判別できるかどうかは、寄りか引きかの選択で決まります。一覧用には寄り、詳細ページには引きと俯瞰、と使い分けられるよう両方を押さえておくと、あとで困りません。

自社サイト・SNS

自社サイトは、掲載先の中で見せ方を自分で設計できる数少ない場所です。その代わり、決めなければ何も決まりません。メインビジュアルに使うのはどのカットか、メニューページは寄りと引きのどちらで統一するのかを、撮影前に決めておきます。SNSは投稿面ごとに表示の形が変わり、タイムラインでは正方形に近く、ストーリーズのような面では縦長に使われます。主役を中央寄りに置いて上下左右に切りしろの余白を作っておけば、どの面でも使えます。縦長の面を本格的に使うなら、カメラを縦にして押さえるカットを別に用意します。

店頭・紙メニュー・館内サイネージ

店頭の看板、紙のメニュー、館内サイネージは表示が大きくなるため、画面では気づかない粗が出ます。ピントの位置、皿の縁の汚れ、背景に写り込んだコード類。紙は写真を四角く切り抜いて並べるレイアウトが多く、切りしろの余白も特に効きます。紙や店頭で使う予定があるなら、撮影の時点でカメラマンに伝えておいてください。

デリバリー・テイクアウトの掲載面

デリバリーとテイクアウトの掲載面には、店内で提供する状態と実際に届く状態が違うという固有の問題があります。個別の画像規定は一次情報を確認できていないため数値は書きませんが、要点ははっきりしています。写真の中の器と実際に届く容器が違いすぎると、3条件の②に抵触します。対処は、デリバリー用の写真を分けて撮るか、容器が分かるカットを別に用意することです。容器は当日に用意が要るので、発注段階で決めておきます。

実物と一致させる|色温度・盛り付け量・器の3点

実物と写真を一致させる作業は、色温度・盛り付け量・器の3点に集約されます。この3つがずれると、写真がどれだけきれいでも来店後の落差になります。逆に、当日この3点を押さえれば一致はほぼ確保できます。

ずれる要素ずれる原因当日の対処
色温度(色かぶり)電球色のダウンライトで料理全体が黄色に転ぶ。間接照明の色が皿に乗る。窓からの自然光と店内照明が混ざる白いものを基準にホワイトバランスを取る。撮影中は近くの照明を落とし、光源を1種類に寄せる
盛り付け量撮影用に多めに盛る。具材だけを上に集める。普段は入れない飾りを足す営業時と同じ分量・同じ盛り付けで出してもらう。写真映えのために足したものは、実際の提供でも足す前提でなければ入れない
器・提供状態紙容器で提供するものを陶器で撮る。テイクアウトを店内の皿で撮る実際に提供する器で撮る。器を替える場合は、その写真をどの掲載面で使うかを決めておく

盛り付け量は、現場で相談が要る項目です。料理長としては、写真に撮るなら見栄えよく盛りたいのが自然な感覚で、それを止めるのは撮影側ではなく発注側の判断になります。撮影の冒頭で「営業と同じ量で」と決めておくと全品に効きます。決めずに始めると、序盤だけ豪華で後半は普通、という揃わない並びになります。

器は判断が分かれます。撮影用に少しきれいな器を使うこと自体は、掲載面によっては許容できます。ただし、その皿で提供していない料理の写真をメニューに載せるなら、それは実物と違う状態です。線引きの基準は「その写真を見たお客様が期待するものが、実際に出てくるかどうか」です。

実物と印象が大きく違う写真について

実物と印象が大きく違う写真は、来店後の落差につながるだけでなく、表示の適正さの観点でも社内確認が要る領域です。判断に迷う表現は、社内の法務部門や専門家にご確認ください。撮影側でできるのは、盛り付けを営業時と同じ分量にすること、色を実物に寄せること、写り込む小道具が提供内容と食い違わないようにすることまでです。当社は法的な判断を行う立場になく、個別の表現が問題になるかどうかの断定はしません。

過度なレタッチについても同じです。色を鮮やかにする、湯気を足す、照りを強くする。どれも技術としては可能ですが、レタッチで足した要素は実物には存在しません。存在しないものを足すほど、来店後の落差の原因が増えます。当社では色を実物に寄せる方向のレタッチを基本にしています。

撮影当日の段取り|厨房の出し順で撮影時間が変わる

料理撮影の当日は、撮影リストの確定、撮影順の設計、厨房と営業時間の調整、撮影場所と光の確保、撮り終わりごとの確認という5つの段取りで進みます。いちばん結果を左右するのが2番目の撮影順の設計で、ここは料理長と事前に決めておきます。

STEP

メニュー表と撮影リストを確定する

撮影する品を、メニュー表の順番ではなく撮影リストの形にします。品名、掲載先、引きと寄りのどちらを押さえるか、俯瞰が要るかを1品ずつ書き出します。品数が確定しないと必要な枠も決まりません。「全部撮ってください」で始めると、後半の品が時間切れになります。

STEP

撮影順を「待てるか待てないか」で設計する

撮影順は、料理のジャンルではなく、その料理が撮影を待てる時間で決めます。冷たいもの、氷、炭酸、葉物、揚げ物の湯気は待てません。煮込み、焼き物、パン、前菜の盛り合わせは比較的待てます。待てる料理を先に撮って光と構図を固め、待てない料理は準備が整った状態で出してもらう。この出し順を料理長と事前に共有しておくと、同じ品数でもかかる時間が変わります。

STEP

厨房の負担と営業時間を調整する

撮影する品を作るのは厨房です。営業中に撮るなら注文の合間に撮影用を作ることになり、厨房のペースに撮影が従います。閉店後や定休日なら、厨房のシフトを別に組む必要があります。撮影用の食材の発注も、この段階で厨房側に伝えておきます。

STEP

撮影場所と光を確保する

どのテーブルを撮影用に使えるかを先に決めます。窓の近くか、照明の下か、背景に何が写るか。営業しながらなら、客席の中で使える範囲も決めておきます。照明を持ち込むなら、電源の位置と、機材を置いても動線を塞がない場所を確認します。当日に探し始めると、そのぶん撮影開始が遅れます。

STEP

撮り終わりごとに確認し、差し替えを判断する

1品撮り終わるたびに、その場で画面を見て判断します。盛り付けが崩れていないか、色が実物に寄っているか、切りしろの余白が取れているか。ここで気づけば、その料理はまだ厨房で作り直せます。全部撮り終わってから確認すると、作り直しは翌日以降です。確認する人を撮影開始前に1人決めておいてください。

料理を「待てるか待てないか」で分けると、撮影の設計は単純になります。下の表はその分類の目安です。実際の分類は店の料理によって変わるので、考え方をご自身のメニューに当てはめてください。

料理の性質撮影を待てるか撮影順での扱い
アイス・シャーベット・かき氷・冷菓ほとんど待てない最後にまとめる。構図とカメラの設定を先に完成させ、出てきたら撮り切る。予備をもう1皿用意できるか厨房に確認しておく
氷入りのドリンク・炭酸・ビール待てないグラスと背景を先に決めておき、注いだ直後に撮る。泡と気泡が主役のカットは撮り直しがきかない
揚げ物・湯気の立つ麺類・鉄板もの待てない湯気を写したいカットは湯気が消える前が勝負。厨房から席までの動線を短くする
サラダ・葉物・生ものの盛り合わせ短い時間なら待てるドレッシングは撮る直前にかける。照明の熱でしおれるのでライトを当てっぱなしにしない
煮込み・グリル・パン・前菜の盛り合わせ待てる序盤に置き、この料理で光の作り方とホワイトバランスを確定させて全品に流用する
常温のドリンク・焼き菓子・デザートプレート長く待てる進行の調整弁に使う。厨房が詰まったときに差し込み、撮影の手を止めない

この表は、料理長に見せて「うちの場合はこう」と分類し直してもらうために使います。同じ揚げ物でも、店によって持ち時間は違います。厨房から見た賞味時間を書き込んでもらえば、それがそのまま撮影順の設計図になります。事前の打ち合わせでやってください。

営業時間内に撮るか閉店後に撮るかは、判断が分かれます。営業中は厨房が普段どおり動いているぶん料理は速く出ますが、注文が入れば撮影用は後回しになり、客席の一部も使います。閉店後や定休日は時間を自由に使える代わりに、厨房のシフトを別に立てることになります。

複数店舗を持つ企業の本部が発注する場合、この判断を各店に投げると答えが揃いません。本部側で「全店とも定休日に撮る」と方針を決めて降ろすほうが、撮影の質も揃います。店ごとにやり方が違うと、写真の見え方もばらつきます。

当日の進行そのものについては、発注の段取りが崩れたときに何が起きるかを撮影の発注で実際に起きたトラブル事例にまとめています。料理撮影に限らず、当日の進行を誰が持つかが決まっていない現場は、時間内に終わりません。

発注前に決めておく項目

メニュー撮影を発注する前に決めておく項目は、次の9つです。ここが決まっていれば見積りの精度が上がり、当日の進行も止まりません。決まっていない状態で問い合わせても、返ってくるのは「詳細をお伺いしてから」という回答になります。

  • 撮影する品数の合計と、そのうちメイン扱い(引き・寄り・俯瞰を全部押さえる品)にする品はどれか
  • 写真を載せる掲載先(Googleビジネスプロフィール/グルメサイト/自社サイト/SNS/紙メニュー/店頭/デリバリー)
  • 店内で撮るのか、料理を持ち出してスタジオで撮るのか
  • 営業時間内に撮るのか、閉店後・定休日に撮るのか
  • 盛り付けを誰がやるのか(料理長本人か、当日のシフトに入っている担当か)
  • 食器・カトラリー・クロス・トレー・デリバリー容器を誰がいつ用意するか
  • 撮影後の料理をどう扱うか(まかない・試食・廃棄)と、撮影用食材の原価を誰の予算で見るか
  • 撮影中に営業を続ける場合、客席のどこまでを撮影に使ってよいか
  • スタッフや店内のお客様が写り込むカットを撮るのか、撮るなら誰の許可を取るのか

7つ目の「撮影後の料理と食材原価」は、社内で揉めやすい項目です。撮影のために作った料理の原価を、販促の予算で見るのか店舗の原価に入れるのか。撮影の見積りには入らない費用なので、先に決めておかないと当日に厨房と本部で押し付け合いになります。

9つ目の写り込みも事前に決めておきます。人が写るカットは店の空気が伝わりますが、スタッフには撮影と掲載の説明が要りますし、お客様が写る場合は許可の取り方も決めておきます。当日にその場で判断すると、判断が甘くなります。

撮影全般の確認項目は撮影を外注する前に確認すべきチェックリスト20項目に、見積り依頼の伝え方は撮影の見積り依頼に書くべき項目とテンプレートにまとめました。上の9項目と合わせてご覧いただくと抜けが減ります。

品数と時間の関係|ハーフとフルのどちらを取るか

撮影に必要な時間は、品数だけでは決まりません。決めているのは、セッティングを何回作り直すかと、待てない料理が何品あるかの2つです。

セッティングとは、テーブル・背景・光の作り方の組み合わせです。同じセッティングで撮れる品が続くなら、料理を置き替えるだけで次に進めます。ところが1品ごとにテーブルや背景を変えると、そのたびに機材を組み直します。時間を食っているのは撮影そのものではなく、この組み直しです。

下の表は、必要な時間を自社で見積もるための記入シートです。数字はこちらでは入れません。1品あたり何分という平均値を当メディアは持っておらず、平均を出しても店ごとの条件では当てにならないからです。撮影を依頼する前に、料理長と一緒に埋めてみてください。

確認する項目記入欄
撮影する品数の合計 
うち、引きと寄りの両方を押さえる品数 
うち、俯瞰(セット・コースの構成が分かるカット)が要る品数 
セッティングを作り直す回数(テーブル・背景・光の組み替え) 
待てない料理(冷菓・氷入りドリンク・揚げ物等)の品数 
厨房が1品を出せるまでの時間(料理長に確認) 
料理以外に撮るカット(店内・外観・容器)の数 

埋めてみると、たいてい2つのことが見えます。ひとつは、時間を食っているのがセッティングの組み替えと厨房の待ち時間だということ。もうひとつは、「全品撮る」と決めたときの品数が想像より多いということです。定食のご飯とみそ汁まで含めるのか、ドリンクは全種類撮るのか。曖昧なまま当日を迎えると時間が足りません。

日本プロカメラマン手配の基本料金は時間単位で、ハーフ(半日・4時間枠)とフル(1日・8時間枠)の2つです。どちらを取るかの判断材料として、枠の中身を並べておきます。

項目ハーフ(半日・4時間枠)フル(1日・8時間枠)
料金60,000円+税=66,000円120,000円+税=132,000円
枠の内訳セッティング約30分+撮影約3時間+撤収約30分セッティング約30分+撮影約7時間+撤収約30分
向いている状況季節メニューの入れ替え、数品の撮り足し、同じセッティングで回せる品が中心のときメニューの全面改定、全品で引きと寄りを押さえたいとき、店内カットや外観も同じ日に撮るとき
注意点セッティングの組み替えが多いと、撮影に使える3時間はすぐに埋まる厨房のシフトも1日押さえることになるため、店舗側の調整を早めに始める

拘束時間は、カメラマンの現地到着から撤収完了までで計測します。移動時間は課金しません。撮影の合間の待機時間は拘束に含みます。ここが料理撮影では効きます。厨房が詰まって次の料理が出てこない時間も、待機として拘束に入ります。厨房の出し順を事前に決めることが、そのまま費用の話にもなります。

延長は30分ごと(切り上げ)で7,800円+税=8,580円です。当日の延長は、カメラマンのその後のスケジュールによって承れない場合があります。複数店舗を連続する日程で撮る場合は、合計から一律10%オフの連日割が適用されます(日程が離れた複数回は対象外)。まとめ方の考え方は年間の撮影発注をまとめてコストを最適化する方法に書きました。

記入シートを埋めてみて、ハーフとフルのどちらか判断がつかない場合は、その状態のままご相談ください。品数、掲載先、営業中に撮るのか閉店後に撮るのかをお知らせいただければ、必要な枠と当日の進行案、諸経費まで書き出してお送りします。

元カメラマンとして|料理の光は斜め後ろから作る

料理を撮るときの光は、正面からではなく斜め後ろから当てます。カメラの側から照らすと影が料理の裏側に隠れて平坦になり、斜め後ろから当てると手前側に影が落ちて立体が出ます。汁物の表面の照り、揚げ物の衣の凹凸、肉の焼き目。これらが見えるのは、光が斜め後ろから来ているときです。

私がカメラマンとして料理を撮っていた頃、最初に確認していたのは、その店で使える窓がどこにあるかでした。窓からの光は、斜め後ろに料理を置けばそのまま使えます。窓のない地下の店では、照明を持ち込んで同じ位置関係を作ります。光の向きさえ決まれば、あとは料理を置き替えていけば全品が撮れます。逆に、向きを決めずに1品目を撮り始めると、そのあと全品で迷い続けます。

湯気を写すのも、光の向きの問題です。湯気はそれ自体が白く光るのではなく、背後から光が当たったときに見えます。暗い背景に対して斜め後ろから光を入れると湯気が浮き上がり、明るい背景の前では白い壁に溶けて消えます。「湯気が出ている写真がほしい」と言われたときに私が最初にやるのは、背景を暗くできる場所を探すことでした。

時間との勝負がいちばんきついのは、氷と冷菓です。アイスは撮影用の照明の熱でも溶け、氷は表面が曇り、グラスの水滴はやがて流れ落ちます。料理が来てから構図を考えていては間に合いません。私は、同じ形のダミーの器を先に置いて構図とピントを作り、本番の一皿が来たら置き替えて撮る、というやり方をしていました。厨房に「もう1皿お願いできますか」と言うのは、それでも間に合わなかったときです。

店の照明の色かぶりも、料理撮影でよく出る問題です。電球色のダウンライトの下で撮ると、写真全体が黄色に転びます。厄介なのは赤い間接照明や色付きのペンダントライトで、料理の一部だけに色が乗ります。全体が黄色いなら補正できますが、一部だけ色が違うのは補正が効きません。撮影中はその照明を消させてもらうか、消せない場合は光の当たらない席に移ります。

テーブルの色も、思っている以上に写真を決めます。濃い木のテーブルに茶色い煮込みや揚げ物を置くと、料理が背景に沈みます。逆に、白い皿の白い料理を白いクロスに置くと、皿の輪郭が消えます。どちらかが濃く、どちらかが淡いという関係を作れば料理が浮き上がります。店内に何種類かテーブルがあるなら、料理の色に合わせて選んでください。

こうした技術は、料理撮影の経験があるカメラマンなら当たり前に持っています。問題は、ポートフォリオだけでは経験の有無が分かりにくいことです。きれいな写真が並んでいても、スタジオで時間をかけて撮ったのか、営業中の店内で厨房のペースに合わせて撮ったのかは読み取れません。見分け方はポートフォリオが良いのに現場で失敗するカメラマンの特徴に書いたとおりです。料理撮影の場合は、そこに「厨房のペースに合わせられるか」という項目が1つ加わると考えていただくのが近く、失敗しやすいパターンそのものはカメラマン選びで失敗する企業に共通する7つのパターンに整理しています。

撮った写真は、どこまで使い回せるのか

日本プロカメラマン手配で撮影した写真は、商用利用権が基本料金に含まれています。Googleビジネスプロフィール、グルメサイト、自社サイト、SNS、紙メニュー、店頭のポスター、社内資料。企業の業務用途であれば、追加料金なしで使えます。掲載先を増やすたびに使用料が発生する、という形にはしていません。

店舗が増えたときも同じです。同じ業態で新店を出すなら、既存店で撮った料理写真をそのまま新店の掲載面に使えます。逆に、店舗ごとに盛り付けや器が違う業態なら写真も店舗ごとに要ります。この判断は権利ではなく、3条件の②(実物との一致)で決まります。

見積りに出てくる「買い取り」「二次利用可」がそれぞれ何を指すかは写真の「買い取り」「二次利用可」の意味で整理しました。撮影会社によって言葉の使い方が違うので、見積りを比較するときはここを揃えて読みます。著作権が誰にあるのかという論点は撮影した写真の著作権は誰のものかで扱っています。

日本プロカメラマン手配の場合|料理・メニュー撮影で含まれるもの

日本プロカメラマン手配は、株式会社ファーストブレイクが運営する企業専門のカメラマン手配サービスです。料理・メニュー撮影も対応範囲で、打ち合わせから当日のディレクション、納品までを運営会社が担当します。基本料金に何が含まれ、何が別になるかを表にしておきます。

区分内容
基本料金ハーフ(半日・4時間枠)60,000円+税=66,000円/フル(1日・8時間枠)120,000円+税=132,000円
基本料金に含まれるものカメラマンの拘束(現地到着〜撤収完了で計測。移動時間は課金しません)/標準機材(カメラ・レンズ・簡易照明)/商用利用権/事前の撮影スロット作成/当日のディレクション/レタッチ/データ納品
実費でお通しするもの交通費、外部レンタルのロケスタジオ代など。運営会社の上乗せはありません。事前見積りで金額を明示し、請求書に明細を添えます
別途になるもの(事前に見積り)延長は30分ごと(切り上げ)7,800円+税=8,580円/進行アシスタント+33,000円(税込)/白ホリスタジオ(カメラマン所有)1時間22,000円(税込)/大型ライティング・特殊機材・大型セット設営が必要な場合は個別見積り/特急納品
割引連日割:連続する日程での複数日発注は合計から一律10%オフ(日程が離れた複数回は対象外)
納期少量(〜数十カット)は即日〜翌営業日、大量の撮影は5〜7営業日が目安。特急納品はオプション

事前の撮影スロット(時間割)の作成は、運営会社が担当します。料理撮影の場合、このスロットは厨房の出し順と一体で作ります。何時に何を出してもらうか、待てない料理をどこに置くか、セッティングの組み替えをどこでまとめるか。店舗側だけで作るのは負担が大きいので、こちらで叩き台をお出しします。

レタッチは、仕上がりを均一にするために基準を定めて運用しています。肌の質感・色温度・トリミングの扱いを揃えているため、カメラマンが替わっても掲載面での見え方が揃います。複数店舗を別々の日に撮る場合、この基準の有無で全店の印象が変わります。

取引の窓口は株式会社ファーストブレイク(横浜市中区相生町3-60 泰生ビル308)の1社です。適格請求書の発行に対応しており、インボイス登録番号はT2020001106718です。支払方法は請求書払い(銀行振込)がデフォルトで、見積りの段階で総額を明示します。

まとめ|写真を決めるのは、撮影の腕より前の設計

集客につながる料理写真の条件は、掲載先の枠で切られても成立する構図、実物との色・量の一致、何がどれくらい出てくるかが読み取れる情報量の3つです。この3つは、撮影の腕の話ではありません。撮影の前に、発注する側が決められることです。

掲載先ごとに切られ方が違うので、引きと寄りを1品ごとに押さえ、主役を中央寄りにして四辺に切りしろの余白を作る。実物と一致させるために、色温度・盛り付け量・器の3点を当日に押さえる。厨房の出し順を「待てるか待てないか」で設計しておく。この記事で書いてきたことは、この3つに集約されます。料理写真で「思ったのと違うものが上がってきた」となるとき、原因の多くは技術ではなく、この設計が誰の担当にもなっていなかったことにあります。

この記事の次に読むと、発注の準備が一段進みます

撮影する写真の条件が決まったら、次は発注の準備と、社内での通し方です。

メニュー改定の日程が決まっているなら、そこから逆算して撮影日を押さえるところからご相談ください。撮影する品数、掲載したい先、営業時間中に撮るか閉店後に撮るかをお知らせいただければ、必要な枠、当日の撮影スロット案、諸経費まで書き出してお送りします。複数店舗をまとめて撮る場合の日程の組み方もご提案します。

よくある質問

飲食店のメニュー撮影は、店内とスタジオのどちらで撮るべきですか

料理を出来たてで撮る必要があるなら店内です。厨房から席まで運ぶ時間が短いほど、揚げ物や湯気、氷入りのドリンクの状態が保てます。店の空気を入れたい場合も店内が向きます。一方、白い背景で料理だけを切り出したい、店の照明の色かぶりを避けたい場合はスタジオが向きます。店内で撮る場合は、どのテーブルを使うか、光がどこから入るかを事前に決めておいてください。日本プロカメラマン手配では、カメラマン所有の白ホリスタジオを1時間22,000円(税込)でご利用いただくこともできます。

営業時間中にメニュー撮影はできますか

できます。ただし注文が入れば撮影用の料理は後回しになるため、進行が厨房のペースに従います。客席の一部を使うので、どの席まで使ってよいか、お客様の写り込みをどう扱うかを事前に決めておいてください。時間を自由に使いたい場合は、閉店後や定休日の撮影が向きます。その場合は厨房のシフトを別に立てるため、店舗側の調整を早めに始めてください。複数店舗を撮る場合は、営業中か閉店後かを本部で決めるほうが写真の見え方が揃います。

Googleビジネスプロフィールに載せる写真には、決まった要件がありますか

あります。Google公式ヘルプ「ビジネス プロフィールに写真や動画を追加する」の記載内容は、形式がJPGまたはPNG、ファイルサイズが10KB〜5MB、推奨解像度が縦720ピクセル×横720ピクセル、最小解像度が縦250ピクセル×横250ピクセルです。品質については、ピントが合っていて十分な明るさのある写真を使用し、大幅な加工や過度のフィルタ使用は避けるよう案内されています(2026年9月時点)。なお、このヘルプページに飲食店へ特化した写真ガイドの記載はありません。推奨解像度が正方形なので、横長の撮影データを切り出す前提で主役の周囲に余白を作っておくと扱いやすくなります。

メニューを全品撮るには、どれくらいの時間を見ておけばいいですか

品数だけでは決まりません。時間を決めているのは、セッティング(テーブル・背景・光)を何回作り直すかと、撮影を待てない料理が何品あるかの2つです。日本プロカメラマン手配の場合、ハーフ(半日・4時間枠)66,000円(税込)はセッティング約30分+撮影約3時間+撤収約30分、フル(1日・8時間枠)132,000円(税込)はセッティング約30分+撮影約7時間+撤収約30分です。品数、引きと寄りの両方を押さえる品数、セッティングの組み替え回数、厨房が1品を出せるまでの時間を書き出していただければ、どちらの枠が必要かをこちらで判断してお伝えします。

撮影した料理写真は、あとから増えた店舗でも使えますか

使えます。日本プロカメラマン手配では商用利用権が基本料金に含まれており、Googleビジネスプロフィール、グルメサイト、自社サイト、SNS、紙メニュー、店頭のポスターなど、企業の業務用途であれば追加料金なしで使用できます。掲載先や店舗が増えても、使用料が後から発生することはありません。ただし新店の盛り付けや器が既存店と違う場合は、実物との一致の観点から撮り直しの検討をおすすめします。

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