撮影データの著作権は誰のものか|企業が誤解している3点

結論から言うと、撮影した写真の著作権は、原則としてシャッターを切ったカメラマンに発生します。撮影費用を負担したことも、データを受け取ったことも、それだけでは権利が会社へ移る理由になりません。契約書に「著作権はすべて譲渡する」と書いた場合でも、第27条・第28条の権利は特掲がなければ譲渡した者に留保されたものと推定され(第61条第2項)、著作者人格権はそもそも譲渡できません(第59条)。この記事では、発注する企業の側が誤解しやすい3点に絞って、著作権法の条文に沿って整理します。

目次

撮影データの著作権は、原則として撮影したカメラマンに発生する

PHOTO COPYRIGHT BASICS

オフィスで社員が働いている様子を撮影している職場風景撮影のイメージカット

著作権法第2条第1項第2号は、著作者を「著作物を創作する者をいう。」と定めています。写真の場合、構図を決め、光を選び、シャッターを切った人が創作した人です。誰が費用を負担したかは、この条文の要件のどこにも出てきません。ここが認識のずれる出発点です。

そして権利の発生に手続きはいりません。第17条第2項は「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。」と定めています。登録も申請も届出も不要で、撮影された瞬間に権利は発生します。権利について何も決めずに進めた撮影は、権利が発注側へ移らないまま納品まで到達します。

私は元カメラマンです。撮る側にいたころ、納品の翌月に「この写真、展示会のパネルにも使いますね」と言われて返事に困ったことが何度もありました。断りたかったのではありません。最初にそう聞いていれば、寄りと引きの押さえ方も渡すデータの解像度も変えられたからです。権利の取り決めは、使いたい場面を先に共有するための手続きでもあります。

なお、以下は著作権法の条文をもとにした一般的な整理です。個別の撮影がどう扱われるかは、契約の書き方、撮影の実態、写真の使い方によって変わります。自社のケースへの当てはめは、法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

「買い取り」「二次利用可」「著作権フリー」といった言い方も、著作権法の条文には存在しません。何を指すかは当事者の取り決め次第なので、言葉の意味の整理は別に譲り、この記事では「権利が誰に帰属するか」だけを扱います。

前提|写真の著作物に発生する権利は、譲渡できるものとできないものに分かれる

撮影した写真には、性質の違う2種類の権利がまとめて発生します。譲渡できる「著作権」と、譲渡できない「著作者人格権」です。この2階建てを分けて見ることが、3つの誤解を解く前提になります。

第2条第4項は「この法律にいう『写真の著作物』には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。」と定めています。そのうえで第17条第1項が「著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下『著作者人格権』という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下『著作権』という。)を享有する。」として、2つのまとまりを分けています。

区分権利内容譲渡
著作者人格権公表権第18条第1項未公表の著作物を公衆に提供・提示する権利できない(第59条)
著作者人格権氏名表示権第19条第1項著作者名を表示する、または表示しないことを決める権利できない(第59条)
著作者人格権同一性保持権第20条第1項意に反する変更・切除その他の改変を受けない権利できない(第59条)
著作権複製権第21条著作物を複製する権利。印刷物・パネル・データ複製はここできる(第61条第1項)
著作権公衆送信権等第23条第1項公衆送信を行う権利。Webサイト・SNS掲載はここできる(第61条第1項)
著作権翻訳権、翻案権等第27条翻案する権利。元の写真をもとに別の表現を作る行為できるが特掲が必要(第61条第2項)
著作権二次的著作物の利用に関する原著作者の権利第28条二次的著作物の利用について原著作物の著作者が持つ権利できるが特掲が必要(第61条第2項)

譲渡できる権利とできない権利があること、譲渡できる側にも書き方しだいで移らない権利があること。この2点が、以降の3つの誤解を解く土台になります。

誤解1|「撮影費用を出したのは会社だから、著作権も会社のものになる」

撮影費用を会社が負担しても、それだけで会社が著作者になることはありません。会社が著作者になる規定は第15条第1項の職務著作ですが、その要件に「業務に従事する者」が入っており、外部に委託した個人カメラマンは通常これに当たらないと考えられます。

条文はこうです。「法人その他使用者(以下この条において『法人等』という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」(第15条第1項)

要件は、法人等の発意、その法人等の業務に従事する者が作ること、職務上作成すること、法人等が自己の著作の名義の下に公表するものであること、別段の定めがないこと、の5つです。費用を負担したという事実は、このどれにも入っていません。

問題になるのは2つめの「業務に従事する者」です。ここは雇用関係にある人が基本と考えられており、業務委託で単発の撮影を依頼した個人カメラマンは通常この要件を満たさないと考えられます。ただし当てはめは実態を見た個別判断になります。

比べる点社内の従業員が職務として撮った写真外部の個人カメラマンに委託して撮った写真
撮影者の立場雇用関係にある社員業務委託を受けた独立の事業者
「業務に従事する者」への当てはめ当たると考えられる通常は当たらないと考えられる
第15条第1項の他の要件発意・職務上作成・自己の著作の名義での公表・別段の定めがないこと、をすべて満たす必要がある前提の要件を欠くため、他の要件を検討する場面に至らないことが多い
著作者になりうるのは会社(要件をすべて満たす場合)撮影したカメラマン
会社が使うために確認すること就業規則・契約に「別段の定め」がないか契約で譲渡を受けるか、必要な範囲の利用許諾を得ているか

右の列に立つ写真は、権利を会社へ持ってくる手続きが別途いる、ということです。社内で「制作費を払った側のものだ」という前提で話が進んでいるときは、この表を共有してください。左の列も5つの要件をすべて満たすとは限らないため、社内撮影の扱いは法務部門にご確認ください。

契約書も発注書も交わさないまま撮影を頼んでいる状態なら、権利の議論より先に取引の形を整えるほうが早く進みます。社内の紹介で頼んでいるケースは「知り合いのカメラマン」に頼むリスクを冷静に整理するにまとめました。

誤解2|「契約書に『著作権はすべて譲渡』と書いたから、写真を自由に扱える」

「著作権はすべて譲渡する」という一文だけでは、写真を自由に扱える状態にはなりません。理由は2つあります。第61条第2項の特掲の推定と、第59条による著作者人格権の一身専属性です。

理由1|第27条・第28条は特掲がないと譲渡人に留保されたと推定される

第61条第1項は「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。」と定めています。そのうえで第61条第2項が、こう続けます。「著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。」

特掲とは、その権利を譲渡の対象として具体的に挙げて書くことです。実務では「著作権(著作権法第27条および第28条に規定する権利を含む)を譲渡する」と書きます。「すべての著作権を譲渡する」とだけ書いた契約書はこの特掲がない状態にあたり、第27条・第28条は譲渡した側に留保されたものと推定されます。

第27条は「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。」という規定です。合成、イラスト化、映像素材への作り替えなど、元のカットをもとに別の表現を作る使い方を予定しているなら、この2条が渡っているかどうかが効いてきます。

理由2|著作者人格権は譲渡できず、公表権・氏名表示権・同一性保持権が残る

第59条は「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」と定めています。著作権をどれだけ広く譲り受けても、公表権(第18条第1項)・氏名表示権(第19条第1項)・同一性保持権(第20条第1項)はカメラマンの側に残ります。

企業の使い方で関係してくるのは、主に後ろの2つです。第20条第1項は「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」と定めています。バナーに合わせた大胆なトリミング、色の作り替え、他の写真との合成は、この条文が想定する改変に触れうる行為です。

クレジット表記は第19条第1項の氏名表示権の問題です。同条第3項に省略できる場合の定めがありますが、「公正な慣行に反しない限り」という条件つきの規定で、無条件に省略してよいという意味ではありません。条文は記事末のよくある質問に引用しました。

権利「著作権はすべて譲渡する」とだけ書いた場合発注側がとる手当て
複製権第21条譲渡の対象になる譲り受ける範囲を明記する
公衆送信権等第23条第1項譲渡の対象になるWebサイト・SNS掲載の予定を共有する
翻訳権、翻案権等第27条特掲がなければ譲渡した者に留保されたと推定される条番号を挙げて特掲する
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利第28条特掲がなければ譲渡した者に留保されたと推定される条番号を挙げて特掲する
公表権第18条第1項譲渡されない(第18条第2項第1号に推定規定あり)未公表カットの公開時期を取り決める
氏名表示権第19条第1項譲渡されない媒体ごとのクレジット表記を取り決める
同一性保持権第20条第1項譲渡されない加工の範囲を事前に共有し、取り決める

トリミングや色調整は、同一性保持権に触れるのか

第20条第2項第4号は「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」を適用外としています。ただしこれは、トリミングや色調整がいつでも適法になるという意味ではなく、どこまでがやむを得ない改変かは写真の性質と使い方によって変わります。加工の予定があるなら、撮影前に「トリミングと色調整、他素材との合成を行う」と伝えて契約で取り扱いを決めておくほうが早く済みます。書き方は法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

誤解3|「撮影データを受け取ったのだから、権利も一緒に移っている」

データの受け渡しと著作権の移転は別の話です。データが手元にあることは、それをどう使ってよいかを決める根拠になりません。使える範囲を決めるのは、第21条の複製権や第23条第1項の公衆送信権が契約でどう扱われたかです。

紙のプリントで納品されていた時代なら、写真そのものと権利は別だという感覚を持ちやすかったはずです。それがギガバイト単位のデータ納品になった途端、「全部もらった」という受け取り方に変わります。

第18条第2項第2号には、未公表の美術または写真の著作物の原作品を譲渡した場合に、原作品による展示の方法で公衆に提示することへ同意したものと推定する、という規定があります。ただしこれは展示についての推定にとどまり、渡せば何に使ってもよくなるという規定ではありません。

譲渡ではなく利用の許諾を受けている場合は第63条を見ます。第2項は「前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。」です。使ってよい範囲は、渡されたデータの量ではなくこの「利用方法及び条件」で決まります。

見落とされやすいのが第63条第3項で、「利用権(…)は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。」と定められています。許諾を受けた会社がグループ会社や販売代理店へ写真を渡して使わせる運用は、ここが問題になりえます。

納品されたデータを前に、社内で確認しておくことを並べます。

  • 契約書・発注書に書かれているのは「著作権の譲渡」か、「利用の許諾」か
  • 譲渡なら、第27条と第28条の権利が条番号を挙げて特掲されているか
  • 許諾なら、利用方法及び条件(媒体・期間・地域・改変の可否)がどこまで書かれているか
  • 著作者人格権について、取り扱いを定めた条項があるか
  • グループ会社・販売代理店・取引先へ写真を渡す予定があるか(第63条第3項)
  • 撮影データそのものの保管場所と、社内で誰が持ち出せる状態にあるか

データの扱いは、権利の話と納品条件の話が混ざりやすい領域です。納期・データ形式・返却まで含めた発注時のつまずき方は、撮影発注のトラブル事例集|納期・データ・著作権で系統別に整理しています。

採用サイト用に撮った写真を、会社案内やSNSに使ってよいか

判断の分かれ目は、契約が「譲渡」なのか「利用の許諾」なのか、そして許諾なら利用方法及び条件がどう書かれているかです。著作権の譲渡を受けているなら、譲り受けた支分権の範囲で会社案内にもSNSにも使えます。許諾の場合は、第63条第2項の「利用方法及び条件の範囲内」に収まるかどうかで決まります。

見るべきは撮影の目的ではなく契約の文言です。「採用サイト用の撮影」という発注の経緯自体が利用範囲の上限を作るわけではありません。逆に、許諾の範囲が「採用サイトへの掲載」と限定して書かれていれば、会社案内への転用はその外になります。

実務では、まず契約書・発注書・見積書の文言を出して譲渡か許諾かを見分け、許諾なら媒体の指定があるかを見ます。指定がない、あるいは書類そのものがない場合は、社内で解釈を固める前にカメラマンへ確認してください。掲載してから止めるほうが、確認するより負担は大きくなります。

社内で「もう費用を払ったのだから使えるはずだ」という声が出たときは、記事の前半に戻ってください。費用の負担は、著作者を決める条文の要件にも、利用の範囲を決める条文の要件にも出てきません。

写真と同じ整理で済ませないほうがよいもの|動画・保護期間・肖像権

写真の整理がついても、そのまま当てはめないほうがよいものが3つあります。動画、権利が続く期間、写っている人の問題です。まず動画について、第29条第1項は「映画の著作物(…)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。」と定めています。写真とは帰属の仕組みが異なるため、同じ日にムービーも頼む場合は一括りにせず別立てで取り決めてください。当てはめは制作体制によって変わります。

次に期間です。第51条第1項は「著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。」、第2項は著作権が著作者の死後70年を経過するまで存続すると定めています。10年前の周年式典で撮った写真も、権利は生きている前提で扱います。過去の素材を再利用するときは、当時の契約を探すところから始めてください。

最後に、写っている人の問題です。社員の顔が写った写真を会社案内に使えるかという論点は、著作権法の外にあります。肖像権は著作権法に条文のある権利ではなく、人格的な利益の問題として著作権とは別に整理するものです。撮影の同意、使う媒体の範囲、退職後の取り扱いは、別の書類で決めておくほうが混乱しません。

発注側が撮影前に決めておく6つのこと

権利の取り決めは、撮影後に交渉するより発注時に決めるほうが手間も費用も小さく済みます。撮影が終わってからの相談は、相手にとって条件変更の申し出になるからです。

  • 写真を使う媒体をすべて挙げる(採用サイト、コーポレートサイト、会社案内、プレスリリース、SNS、社内報、展示会パネル、名刺など)
  • 使う期間と、社外へ渡す範囲(グループ会社・販売代理店・取引先)を決める
  • 著作権の譲渡にするか利用の許諾にするかを決め、譲渡なら第27条・第28条を特掲する
  • 加工の予定(トリミング、色調整、合成、文字入れ)を伝え、著作者人格権の取り扱いを定める
  • 媒体ごとのクレジット表記の有無を決める
  • 動画を同時に頼むなら、写真とは別立てで権利の取り決めをする

この6項目は、外注時に決める条件のうち権利にかかわる部分だけを抜き出したものです。日程・機材・データ形式・支払いまで含めた全体像は撮影を外注する前に確認すべき20のことに、後から出る費用の妥当性は出張費・機材費・レタッチ費、追加請求されるのはどこまで妥当かにまとめてあります。

撮影を発注するとき、私たちが契約でどう決めているか

私たち日本プロカメラマン手配は、企業専門のカメラマン手配サービスです。運営は株式会社ファーストブレイク(横浜市中区)、代表の私・宮崎大地は元カメラマンで、2012年の創業から法人とのお取引は300社を超えました。全国の登録カメラマンから用途に合う人を選んでアサインし、打ち合わせから当日のディレクション、納品までを窓口として引き受けています。

権利まわりは、発注のたびに社内で議論しなくて済む形にしています。納品した写真の商用利用権は基本料金に含めており、採用サイト、社内報、SNS、印刷物といった企業の業務用途であれば追加料金なしで使っていただけます。「採用サイト用に撮った写真を会社案内にも使えるか」は、この形であれば毎回の確認が要りません。契約書は業務委託契約とNDAの標準雛形があり、著作権譲渡・直接取引の禁止・代替体制への協力の条項を含む内容を、貴社の法務レビューを前提としてお出ししています。

料金はカット数ではなく拘束時間制で、ハーフ(半日・4時間枠)が60,000円+税=66,000円、フル(1日・8時間枠)が120,000円+税=132,000円です。標準機材と商用利用権は基本料金に含まれ、諸経費は実費のパススルーで当社の上乗せはありません。内訳の考え方は企業撮影の相場を、内訳まで全部公開するで公開しています。

まとめ|帰属を決めるのは、支払いでもデータでもなく契約の書き方

撮影データの著作権は、原則として撮影したカメラマンに発生します。費用を負担したこと(誤解1)、契約書に一文だけ書いたこと(誤解2)、データを受け取ったこと(誤解3)は、いずれもそれ単独では帰属を動かしません。動かすのは、契約に何がどう書かれているかです。

今日できることは2つです。手元の契約書を開いて譲渡か許諾かを確認すること、譲渡なら第27条・第28条の特掲があるかを見ること。これだけで、社内から来る「この写真、あっちにも使える?」の大半は答えが出せます。残る当てはめは、法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

この記事の次に読むと、判断が一段進みます

権利の整理がついたら、次は発注そのものの設計です。

写真の使い道が社内で増えていくことがすでに見えている段階でしたら、権利の範囲を最初から広く取っておくほうがあとの手間が減ります。撮影日と場所、撮影する人数、写真を使う媒体をお知らせいただければ、必要な枠と諸経費まで書き出してお見積りをお出しします。稟議に添付できる形式でもお送りできますので、社内の比較材料にお使いください。

よくある質問

撮影費用を会社が負担すれば、写真の著作権は会社のものになりますか

なりません。著作権法第2条第1項第2号は著作者を「著作物を創作する者をいう。」と定めており、誰が費用を負担したかは要件に入っていません。会社が著作者になる規定は第15条第1項の職務著作ですが、「法人等の業務に従事する者」が職務上作成することが要件で、外部に委託した個人カメラマンは通常これに当たらないと考えられます。会社が権利を持つには、契約で譲渡を受けるか、必要な範囲の利用許諾を得ます。当てはめは個別判断のため、法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

契約書に「著作権はすべて譲渡する」と書けば、写真を自由に加工できますか

そこまでは言えません。第61条第2項により、第27条または第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡した者に留保されたものと推定されます。加えて第59条により著作者人格権は譲渡できないため、同一性保持権(第20条第1項)は譲渡契約では移りません。加工を予定しているなら、第27条・第28条を条番号で特掲したうえで著作者人格権の取り扱いも定めておくのが実務的です。文言は法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

採用サイト用に撮った写真を、会社案内やSNSに使ってもよいですか

契約の書き方によって変わります。著作権の譲渡を受けているなら、譲り受けた支分権の範囲で使えます。利用の許諾を受けている場合は、第63条第2項により「利用方法及び条件の範囲内」で使えるため、許諾が採用サイトへの掲載に限定して書かれていれば、会社案内への転用はその範囲の外になります。契約書・発注書・見積書に媒体の指定がないときは、掲載を進める前にカメラマンへ確認してください。

撮影データを受け取っていれば、権利も移っていると考えてよいですか

いいえ。データや記録媒体の引き渡しと著作権の移転は別です。第18条第2項第2号には、未公表の写真の著作物の原作品を譲渡した場合に、原作品による展示の方法で公衆に提示することへ同意したものと推定する規定がありますが、これは展示についての推定にとどまります。写真をどこまで使えるかは、第21条の複製権や第23条第1項の公衆送信権が契約でどう扱われたかで決まります。

カメラマンのクレジット表記は省略できますか

省略できる場合があります。第19条第3項は「著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。」と定めています。ただし「公正な慣行に反しない限り」という条件がつくため、どの媒体でも省略してよいという意味ではありません。採用サイト、会社案内、SNSなど媒体ごとに表記するかどうかを、撮影前に取り決めておくと迷いません。

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