撮影の発注書・契約書に書く項目とテンプレート|明示義務8項目

結論から言うと、撮影の発注書に書く項目は二層でできています。一層目はフリーランス新法が明示を求める8項目で、これは義務です。二層目は法律に出てこないのに現場で揉める9項目で、納品データの範囲・著作権の使い方・延長料金・中止時の費用などが入ります。書面でもメールでも構いませんが、口約束だけで済ませることはできません。この記事では両方を項目ごとに整理したうえで、コピーしてそのまま使える発注書のテンプレートを2種類、本文に全文掲載します。

目次

撮影の発注書・契約書に書く項目は、法律で決まっている8つと撮影固有の9つに分かれる

ORDER FORM ESSENTIALS

オフィスで契約書と請求書を確認する経理担当者 / 撮影現場でカメラマンと打ち合わせをするビジネスシーン

撮影を外注するときに交わす書面は、二層で考えると迷いません。一層目は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称フリーランス新法。2024年11月1日施行)が明示を求める8項目です。これは「書いておくと親切」な項目ではなく、発注する側に課された義務です。二層目は、法律には一言も出てこないのに現場で揉める項目で、納品データの範囲、著作権の使い方、延長料金、中止時の費用などがここに入ります。

一層目を落とすと法律上の問題になり、二層目を落とすと撮影当日と納品後にお金と時間の問題になります。逆に言えば、この2つを1通のメールにまとめてしまえば、発注書として十分に機能します。項目数は合わせて17前後、テンプレートに落とすとA4で2枚程度の分量です。

この記事が扱うのは、発注先が決まったあとに交わす書面です。複数社に同じ条件を投げて金額を比べる段階で送る依頼文は役割が違うので、撮影の相見積もりを取るときの正しい依頼文に分けてまとめてあります。発注先が決まる前が依頼文、決まったあとが発注書。この順番で使い分けてください。

なお、以下は公正取引委員会が公表しているパンフレット等をもとにした一般的な整理です。個別の取引が法律の対象になるかどうか、条項の文言が自社の取引に合っているかどうかは、社内の法務部門または顧問弁護士にご確認ください。

フリーランス新法が明示を求める8項目|親切ではなく義務です

撮影をフリーランスのカメラマンに委託する場合、発注する側には取引条件を直ちに明示する義務があります(フリーランス・事業者間取引適正化等法 第3条)。明示する項目は次の8つです。この義務には期間の要件がないため、1回きりの単発撮影でもかかります。

第3条が明示を求める項目撮影の発注書ではこう書く
① 発注事業者および受注者の名称自社の商号と、カメラマンの氏名または屋号。識別できればニックネームや記号でもよいとされているが、請求書の名義と揃えておくほうが経理で困らない
② 業務委託をした日発注に合意した日。見積りの承認メールを送った日を書くのが実務的
③ 給付の内容撮影の種別、撮影する人数や回数、納品するデータの規格・仕様。知的財産権が発生し、業務委託の目的である使用の範囲を超えて譲渡・許諾させるときは、その譲渡・許諾の範囲もここに書く
④ 役務の提供を受ける期日撮影日。撮影と納品が分かれるなら、納品の期日も書く
⑤ 役務の提供を受ける場所撮影場所の住所。オフィスと屋外など複数箇所にまたがるなら、全部書く
⑥ 検査を完了する期日(検査をする場合)納品データを確認して受け取りを確定する日。「納品日から◯営業日以内」ではなく、日付が特定できる形にしておくほうが運用しやすい
⑦ 報酬の額および支払期日税込の総額。額の記載が難しい場合は算定方法でもよい。支払期日は「◯日以内」ではなく具体的な支払日が特定できる書き方にする。諸経費を発注側が負担するなら、諸経費を含めた総額が把握できるように書く
⑧ 金銭以外の方法で報酬を支払う場合の支払方法撮影ではまれ。物品や役務での支払いを含めるときだけ記載する

明示の方法は、書面でも電磁的方法でも構いません。電子メール、SMS、SNSのメッセージ、チャットツール、ファックス、CD-R、USBなどが電磁的方法にあたり、どれを使うかは発注する側が選べます。書類の名称も自由で、「発注書」でも「契約書」でも「業務委託確認書」でも問題ありません。ただし電磁的方法で明示した場合でも、受注者から書面の交付を求められたら、遅滞なく書面を交付することになります。

裏を返すと、口約束は成立しません。電話で「いつもの条件でお願いします」と伝えて終わりにしている取引があるなら、そこが最初に直すところです。特に、社内の誰かの紹介で個人カメラマンに頼んでいるケースは、見積書すら残っていないことがあります。関係性が近いほど書面が飛びやすいという構造については、「知り合いのカメラマン」に頼むリスクを冷静に整理するに整理しました。

対象になるのは、従業員を使用しない個人、または代表者以外に役員がおらず従業員も使用しない法人へ業務委託する場合です。この法律ではこうした受注者を「特定受託事業者」と呼びます。従業員を雇っている撮影会社に発注する場合はこの法律の対象外になりますが、だからといって書面の必要性が下がるわけではありません。二層目の9項目は、相手が会社でも個人でも同じように揉めます。

「自社で使う写真だから対象外」ではありません

この法律の対象取引には役務の提供委託が含まれ、発注する側が自ら用いる役務の提供をフリーランスに委託することも対象になるとされています。採用サイトや会社案内など、外部に売るわけではなく自社で使う写真の撮影も、ここに入ってきます。業種・業界の限定もありません。一方で、消費者との取引は対象外です。自社の取引が該当するかどうかの当てはめは個別判断になるため、方針を固める前に法務・顧問弁護士にご確認ください。

もうひとつ押さえておきたいのは、この明示義務がフリーランス同士の取引にもかかるという点です。発注する側がフリーランスであっても、条件の明示は求められます。社内で制作を担当している業務委託メンバーが、さらにカメラマンへ発注しているような座組みでは、この点が抜けやすくなります。

著作権の範囲は、法律の明示項目と撮影実務が重なる一点

撮影データの著作権をどう扱うかは、8項目の③「給付の内容」に含まれる明示対象です。公正取引委員会のパンフレットには、知的財産権が発生する場合で、業務委託の目的である使用の範囲を超えて譲渡・許諾させるときは、その譲渡・許諾の範囲も明確に記載する必要があり、その対価を報酬に加える必要がある、と書かれています。撮影は、まさに知的財産権が発生する業務委託です。

つまり著作権の扱いは「余裕があれば書き足す条項」ではなく、法律が明示を求めている項目の中身です。同時に、撮影の現場でいちばんお金の話に直結する項目でもあります。書き方は大きく2通りに分かれます。

比較軸著作権を譲渡してもらう利用の許諾を受ける
書面に書くこと譲渡する権利の範囲、権利が移転する時点(納品時か、報酬の支払い完了時か)使用できる媒体・期間・地域・二次利用の可否・改変の可否
報酬の考え方譲渡の対価を報酬に含める許諾する範囲に見合う対価を報酬に含める
あとから用途が増えたとき原則として発注側の判断で使える許諾の範囲を超えるなら、範囲の追加と対価の見直しが必要
向いているケースロゴやキービジュアルなど、長期にわたり自社の資産として管理したい写真用途が特定できている撮影。範囲を絞ることで報酬を抑えられる場合がある

どちらを選ぶにしても、書面に落とすときは範囲を言葉で特定してください。「媒体=自社Webサイト、採用サイト、会社案内(印刷)、SNS公式アカウント、社内報」「期間=無期限」「地域=日本国内および海外」「二次利用=可」「改変=トリミングと色調整の範囲で可」。この5つを埋めるだけで、あとで解釈が割れる余地はかなり減ります。

実際によくあるのは、用途を「採用サイト用」とだけ書いて発注し、半年後に駅貼りのポスターや会社案内の表紙に使いたくなる流れです。使用の範囲を超える使い方をするなら、範囲を書面に足して、対価も合わせて見直すのが筋です。無償で範囲だけ広げてほしいと後から頼むのは、法律以前に取引関係を壊します。

私たち日本プロカメラマン手配では、納品した写真の商用利用権を料金に含めています。採用サイト・社内報・SNS・印刷物など、企業の業務用途であれば追加料金なしでお使いいただけます。手配会社を通す形の利点のひとつは、権利の範囲が案件ごとにばらつかないことです。カメラマンが変わっても条件が同じなので、社内で管理する項目が1つ減ります。

法律に書いていないが、撮影で揉めるのはこの9項目

ここからが二層目です。フリーランス新法の8項目を埋めても、次の9項目が空欄のままだと、撮影当日と納品後にほぼ確実に確認のやりとりが発生します。どれも「言わなくても分かるはず」と思われがちで、実際には発注側と受注側で前提がずれている項目です。

項目書いていないと起きること発注書での書き方
1. 納品データの範囲撮影した全カットが来ると思っていたら30カットだった撮影する母数と納品する数の両方を書く。RAWデータを納品対象に含むかどうかも一行で書く
2. レタッチの範囲と回数修正依頼が何往復も続き、納期が後ろにずれる含まれる調整(色・明るさ・トリミング)の範囲と、修正依頼の回数・受付期限を書く
3. 著作権の帰属と利用範囲あとから別媒体に使えない/追加費用を請求される譲渡か許諾かを選び、媒体・期間・地域・二次利用・改変の5点を書く
4. 拘束時間の起算と終了、延長の条件移動時間が課金されているのか分からない。当日の延長で請求額が読めなくなる「現地到着から撤収完了まで」と定義し、開始・終了時刻、延長の単価と上限を書く
5. 撮影の中止・延期と費用負担雨で流れたときのキャンセル料で揉める中止を決める主体・判断の期限・キャンセル料の段階・実費の扱いを書く
6. カメラマンの交代・代替体制当日の体調不良で撮影そのものが飛ぶ連絡の手順と、代替手配を誰がどこまで負うかを書く
7. 被写体の肖像権とモデルリリース退職した社員の写真を下げてほしいと申し出がある同意取得の担当と、公開停止を求められたときの手順を書く
8. 秘密保持と撮影禁止エリアモニターに映った未公開情報が写り込む秘密保持契約の有無と、撮影してはいけない場所・構図を固有名詞で書く
9. データの受け渡しと保管期間1年後に同じ写真がほしくなったとき、もう存在しない受け渡し方法、ダウンロード期限、受注者側の保管期間、再ダウンロードの可否を書く

この9項目は、実際に起きたトラブルから逆算して並べています。どういう形で表面化するかを事例ベースで見ておきたい場合は、撮影発注のトラブル事例集|納期・データ・著作権と合わせて読んでください。この記事は、その事例集を予防する側から書き直したものだと考えていただくと分かりやすいと思います。

納品データの範囲|「何枚もらえるのか」を発注前に決める

納品データの範囲は、撮影した全カットを渡す形と、その中から選んだカットだけを渡す形の2通りがあります。発注書には、どちらなのかと、選ぶ主体が誰なのかを書いてください。「撮影データの中から当社が選定した◯カットを納品」なのか、「撮影した全カットのJPEGを納品」なのかで、納品枚数は10倍以上変わります。

撮影の現場では、同じ表情を数枚ずつ押さえます。まばたき、視線のずれ、口元の動き。18名のプロフィール撮影なら、シャッターを切る回数は数百回になります。その全部を渡す約束をしていると、使えないカットも含めて受け取ることになり、社内での選定作業が増えます。枚数が多い=得、とは限らないのがこの項目の難しいところです。

RAWデータの扱いも、一行でよいので書いておいてください。後日、別のデザイナーに現像し直させたいという要望が出ることがあります。RAWは現像ソフトと設定に依存するため、渡されても社内で扱えないケースもあります。納品対象に含むのか含まないのか、含むなら追加費用が発生するのかを、発注の段階で確定させておくと後戻りがありません。

レタッチについては、含まれる調整の範囲と、修正依頼の回数・受付期限を書きます。「色と明るさの調整、トリミングを含む。人物の肌の質感調整は納品カットのうち◯名分まで。修正のご依頼は納品後◯営業日以内、◯回まで」といった書き方です。回数を書くのは値切りのためではなく、修正のやりとりが無期限に続く状態を避けるためです。

当社の場合、レタッチはカメラマンが担当します。仕上がりを均一にするため、肌の質感・色温度・トリミングなどのレタッチ基準を定めて運用しています。納期の目安は、少量(〜数十カット)で即日〜翌営業日、大量のポートレート(数十名〜)で5〜7営業日です。特急納品はオプションとしてご用意しています。この納期の前提も、発注書に書いておくと社内の公開スケジュールを引きやすくなります。

元カメラマンとして個人で仕事を受けていた頃、いちばん困った依頼が「撮ったやつ、全部ください」でした。悪意はまったくなく、多いほうが親切だろうという善意です。ところが数百カットをそのまま渡すと、翌週には「どれを使えばいいか分からない」という連絡が来ます。結局こちらで選び直すことになり、無償の作業が発生する。納品枚数を数字で決めておくのは、双方の手間を減らすための取り決めです。

拘束時間の起算と終了、延長の単価と上限をどう書くか

拘束時間は「カメラマンの現地到着から撤収完了まで」と定義するのが、最も誤解の少ない書き方です。発注書には、この定義に加えて開始時刻と終了時刻を具体的に書きます。「10:00〜15:00(現地到着から撤収完了まで、休憩1時間を含む)」といった形です。

起算点を書いていないと、移動時間が課金対象なのかどうかで解釈が割れます。当社の場合、移動時間は課金しません。一方で、撮影の合間の待機時間は拘束時間に含めます。役員の到着待ちや、次の被写体を呼び出すまでの空き時間は、カメラマンがその場を離れられないためです。この線引きを書面に一行入れておくと、当日の進行が押したときに「これは待機か、延長か」で止まりません。

時間枠の中身も書いておくと親切です。当社のハーフ(半日・4時間枠)は、セッティング約30分+撮影約3時間+撤収約30分という内訳です。フル(1日・8時間枠)はセッティング約30分+撮影約7時間+撤収約30分。料金はハーフが60,000円+税=66,000円、フルが120,000円+税=132,000円で、標準機材(カメラ・レンズ・簡易照明)と商用利用権は基本料金に含まれています。撮影できる時間は枠の全部ではない、という前提を共有しておくだけで、当日の進行表の精度が上がります。

延長については、単価と単位、そして上限を書きます。当社は30分ごと7,800円+税=8,580円で、端数は30分単位で切り上げです。上限を書く理由は、金額の話だけではありません。当日の延長は、カメラマンのスケジュールによっては承れないことがあります。「最大◯時間まで延長できる」と書いてある発注書は、当日その場で判断しなくてよくなるという意味で、進行担当者の負担を減らします。

諸経費の扱いも同じ欄に書いてください。当社は交通費・スタジオ代などを実費のパススルーとし、上乗せはしていません。見積りの段階で金額を明示し、請求書に明細を添えます。どこまでが基本料金で、どこからが実費なのかが書面で分かれていれば、納品後に金額の話をやり直す必要がなくなります。追加請求のどこまでが妥当なのかという相場感については、出張費・機材費・レタッチ費、追加請求されるのはどこまで妥当かに整理しました。

撮影の中止・延期とカメラマンの交代|当日の不確実性を費用と体制に分けて書く

中止・延期の条項は、「誰が」「いつまでに」「どうやって」決めるかを書けば機能します。屋外撮影であれば、「撮影日前日の18時時点の気象庁の予報をもとに、発注者が判断し、当日9時までにメールで連絡する」といった書き方です。判断の主体を書いておかないと、当日の朝に双方が相手の連絡を待つ時間が生まれます。

費用は段階で書きます。「撮影日の7日前まで無償、6日前〜前日は報酬の◯%、当日は◯%」といった形です。ここで見落とされやすいのが、キャンセルしても発生する実費です。スタジオのレンタル料、機材レンタル、ヘアメイクの手配料は、中止でもキャンセル料が発生することがあります。基本料金のキャンセル率とは別の行にして、「実費については各手配先の規定に従う」と書いておくと、金額の説明が通しやすくなります。

出演者の欠席も、書いておく価値がある項目です。役員のポートレート撮影で当日本人が来られなくなった場合、撮影自体は成立しないのに、カメラマンの拘束は発生しています。「被写体の都合による欠席の場合は実施扱いとし、別日の再撮影は新たな発注として取り扱う」なのか、「同一の発注枠で1回まで振り替える」なのか。ここは会社ごとに考え方が違うので、雛形の文言をそのまま使わず、自社の運用に合わせて決めてください。

機材トラブルについては、「受注者は予備の撮影機材を持参する」と一文あるだけで確認の手間が減ります。そして代替体制です。個人カメラマンに直接発注している場合、当日その人が来られなくなったら、代わりを探すのは発注側になります。撮影日が全社の周年式典や決算発表と紐づいていると、日程の振り替えができません。実際に当日カメラマンが来なかったときの動き方は、撮影当日にカメラマンが来なかったら、どう動くかにまとめてあります。発注書には、「受注者は撮影の実施が困難になった場合、直ちに発注者へ連絡し、代替のカメラマンの手配について協議する」という一文を入れておくのが最低ラインです。

当社の業務委託契約の標準雛形には、代替体制への協力条項を入れています。窓口が手配会社であれば、代替の手配は当社が引き受けます。ただし、雛形にそう書いてあることと、当日実際に代わりが立つこととは別の話です。書面の条項は、体制の裏付けとセットで初めて意味を持ちます。

社員や顧客が写るとき|肖像権・モデルリリースと、秘密保持・撮影禁止エリア

被写体になる人からの同意取得は、発注する企業側が担当するのが実務的です。社員は自社の管理下にあり、公開する媒体を決めるのも自社だからです。発注書には「被写体となる社員・来訪者からの撮影および公開に関する同意の取得は、発注者の責任で行う」と書き、実際の同意書は別紙で運用します。

同意書に入れる項目は4つです。撮影の目的、掲載する媒体、掲載する期間、そして退職・異動したときの取り扱い。最後の1つが抜けている会社がとても多く、退職した社員から「採用サイトの写真を下げてほしい」と連絡が来て、そこで初めて同意書を読み直すことになります。あらかじめ「退職後◯か月をめどに差し替える」と書いてあれば、その場で判断できます。

顧客や来訪者が写り込む可能性がある撮影では、掲示と声かけの運用を決めておきます。エントランスやセミナー会場での撮影なら、入口に撮影中である旨の掲示を出し、写り込みを希望しない方の申し出を受ける窓口を用意する。これも発注書に一行入れておくと、当日の進行表に反映されます。

秘密保持については、秘密保持契約を別途交わすかどうかと、撮影禁止エリアの2つを書きます。撮影禁止エリアは、抽象的な表現ではなく固有名詞で書いてください。「機密情報が写らないようにする」ではなく、「3階サーバールーム、営業部の執務スペース、モニター画面が判読できる構図、来客用ホワイトボードの書き込み」と列挙します。当社は業務委託契約とあわせて秘密保持契約の標準雛形を用意しており、カメラマンとの間で締結したうえで撮影に入ります。

私がまだ現場で撮っていた頃、開発部門のオフィス撮影で、進行が20分ほど止まったことがあります。事前に共有されていたのは「機密に配慮してください」という一文だけでした。撮り始めてから、広報の担当者と現場のマネージャーの間で「このホワイトボードは写していいのか」という確認が始まり、上長の判断待ちになった。そのあいだ、被写体の社員はデスクで待機です。禁止エリアが固有名詞で1行書いてあれば、止まらずに済んだ20分でした。発注書に書くべき項目というのは、こういう場所に落ちています。

データの受け渡し・保管期間と、検査(検収)の完了期日

納品後の項目は3つです。受け渡しの方法、保管期間と再ダウンロードの可否、そして検査を完了する期日。最後の1つは、第3条の明示項目⑥にあたるため、検査をする取引であれば法律側の要求でもあります。

受け渡し方法は、オンラインストレージでのデータ納品が一般的です。書くのはサービス名ではなく、ダウンロードの期限です。「納品URLの有効期限は発行から◯日」と決めておかないと、担当者が休暇中に期限が切れて再発行の依頼が発生します。社内の共有フォルダへ移すまでを誰が担当するかも、決めておくと落ちません。

保管期間は、意外と後から効いてくる項目です。1年後にパンフレットを作り直すことになり、同じ撮影の別カットがほしくなる。そのときにデータが残っているかどうかは、受注者側の保管方針次第です。「受注者は納品後◯か月間、撮影データを保管する。期間内の再ダウンロードの求めには応じる。期間経過後は消去する」と書いておけば、社内のバックアップ体制をどう組むかの判断もできます。秘密保持の観点からは、逆に「期間経過後は速やかに消去する」ことを求める会社もあります。どちらを取るかは、写真の中身によります。

検査の完了期日は、納品されたデータを確認して受け取りを確定する日です。ここを書いていないと、納品から何週間も経ってから修正依頼が来る、という状態になります。あわせて、やり直しの範囲も決めておいてください。「発注書に記載した撮影内容が欠けている場合」「データが破損している場合」は再撮影または再納品の対象、「イメージと違う」は対象外、といった線引きです。

この線引きが必要なのは、撮り直しの原因の多くが撮影技術ではなく、発注時の要件のすり合わせにあるからです。何が原因で撮り直しになるのかを分解した記事を撮り直しになる原因を分解するにまとめています。発注書のやり直し条項は、この原因分析とセットで書くと現実的な文言になります。

そのまま使える撮影の発注書テンプレート2種

ここから下は、コピーして社名・日付・金額を入れ替えればそのまま送れる形にしてあります。1つ目は単発の撮影1回分の簡易発注書、2つ目は同じカメラマンに繰り返し発注する場合の、基本契約と個別発注書の分け方です。どちらも、フリーランス新法の8項目とこの記事で挙げた9項目が1通の中で埋まる構成で、重なる項目をまとめて15の欄に整理してあります。

テンプレート1:単発の撮影1回用の簡易発注書

1回だけの撮影であれば、この1通をメールに貼って送れば取引条件の明示になります。◯の部分を埋めて、該当しない行は削ってください。

件名:撮影業務 発注書(株式会社◯◯/採用サイト用・2026年11月10日撮影)

◯◯ ◯◯ 様(屋号:◯◯フォトグラフィ)

お世話になっております。株式会社◯◯ 広報部の◯◯です。
先日お見積りいただいた撮影について、下記のとおり発注いたします。内容に相違がないか、ご確認のうえご返信ください。

【1】発注者・受注者
発注者:株式会社◯◯(所在地:東京都◯◯区◯◯1-2-3/担当:広報部 ◯◯ ◯◯)
受注者:◯◯ ◯◯ 様(屋号:◯◯フォトグラフィ)

【2】発注日
2026年◯月◯日(本メールの送信日をもって発注日とします)

【3】業務の内容
・撮影種別:採用サイト用の社員プロフィール撮影および執務風景撮影
・撮影対象:社員18名のプロフィール写真(1名あたり3〜5分)、執務風景・会議風景 一式、エントランス内観
・納品データ:撮影データの中から発注者が選定した◯カットを、色・明るさ・トリミングの調整を行ったうえでJPEG(長辺◯px以上)で納品
・RAWデータ:納品対象に含みません
・レタッチ:色・明るさ・トリミングの調整を含みます。人物の肌の質感調整は◯名分まで。修正のご依頼は納品後◯営業日以内、◯回までとします

【4】著作権・利用の範囲
※譲渡と許諾のどちらかを選び、不要な行は削除してください。
(A・譲渡の場合)本件撮影データに関する著作権は、報酬の支払い完了時に発注者へ移転します。移転する権利の範囲および著作者人格権の取り扱いは、別紙業務委託契約書の定めによります。譲渡の対価は【8】の報酬に含みます。
(B・利用許諾の場合)発注者は本件撮影データを下記の範囲で利用できるものとします。許諾の対価は【8】の報酬に含みます。
 媒体:自社Webサイト、採用サイト、会社案内(印刷)、SNS公式アカウント、社内報
 期間:無期限 / 地域:日本国内および海外
 二次利用:可 / 改変:トリミングおよび色調整の範囲で可

【5】撮影日・納品期日
撮影日:2026年11月10日(火) 予備日:2026年11月17日(火)
納品期日:2026年11月◯日(◯)

【6】撮影場所
東京都◯◯区◯◯1-2-3 当社オフィス(3階会議室A・B、1階エントランス)
屋内のみ。電源あり。荷物用エレベーターあり。近隣にコインパーキングあり。

【7】検査の完了期日
納品データの検査は2026年11月◯日(◯)までに完了し、同日までに結果をご連絡します。
やり直しの対象は、本発注書に記載した撮影内容が欠けている場合、およびデータに破損がある場合とします。

【8】報酬の額・支払期日・支払方法
報酬の額:◯◯◯,◯◯◯円(税込)
 内訳:撮影料 ◯◯◯,◯◯◯円(税込)/諸経費 ◯◯,◯◯◯円(税込・交通費、駐車場代の実費)
支払期日:2026年12月◯日(11月末日締切、翌月◯日支払)
支払方法:銀行振込(振込手数料は発注者が負担します)
※諸経費を含む総額は上記のとおりです。実費が見積りと異なる場合は、請求前にご連絡ください。

【9】拘束時間・延長
拘束時間:10:00〜15:00(受注者の現地到着から撤収完了まで。休憩1時間を含みます)
移動時間は拘束時間に含みません。撮影の合間の待機時間は拘束時間に含みます。
延長単価:30分ごと ◯,◯◯◯円(税込・30分単位で切り上げ)
延長の上限:◯時間まで。これを超える場合は別途協議とします。

【10】中止・延期
中止の判断は発注者が行い、撮影日前日の18時までにメールでご連絡します。
キャンセル料:撮影日の7日前まで無償/6日前〜前日 報酬の◯%/当日 報酬の◯%
スタジオ・機材レンタル・ヘアメイク手配等の実費は、各手配先の規定に従い実費を負担します。
被写体の都合による欠席の場合は実施扱いとし、別日の撮影は新たな発注として取り扱います。

【11】代替体制・機材
受注者は、撮影の実施が困難になった場合、直ちに発注者へ連絡し、代替のカメラマンの手配について協議するものとします。
受注者は、予備の撮影機材を持参するものとします。

【12】被写体の取り扱い
被写体となる社員・来訪者からの撮影および公開に関する同意の取得は、発注者の責任で行います。
公開停止の申し出があった場合、発注者の判断で掲載を差し替えます。受注者に費用は発生しません。

【13】秘密保持・撮影禁止エリア
秘密保持については、別途締結する秘密保持契約の定めによります。
撮影禁止エリア:3階サーバールーム、営業部の執務スペース、モニター画面が判読できる構図、来客用ホワイトボードの書き込み

【14】データの受け渡し・保管
受け渡し方法:オンラインストレージでのデータ納品(ダウンロード期限:発行から◯日)
受注者は納品後◯か月間、撮影データを保管します。期間内の再ダウンロードのご依頼には応じるものとします。期間経過後は消去します。

【15】その他
本発注書に定めのない事項は、双方協議のうえ定めます。
本メールの内容にご同意いただける場合は、ご返信をもって受注の意思表示としてお取り扱いします。

株式会社◯◯ 広報部 ◯◯ ◯◯
TEL:000-0000-0000/MAIL:◯◯@example.com

【8】の支払期日を「納品後◯日以内」と書きたくなりますが、それでは支払期日を特定できません。「11月末日締切、翌月◯日支払」のように、具体的な日が定まる書き方にしてください。なお、支払期日をいつに設定できるかには別のルールがあります。自社の支払サイトを見直す段階であれば、法務・経理と合わせてご確認ください。

物品や役務など、金銭以外の方法で報酬を支払う予定がある場合は、その支払方法の行を1つ足してください。フリーランス新法の明示項目⑧にあたる部分で、撮影ではまれですが、該当するなら書く対象になります。逆に、検査をしない取引であれば【7】は不要です。該当する取引だけ書けばよい項目が2つある、と覚えておくと迷いません。

テンプレート2:繰り返し発注するとき|基本契約と個別発注書の分け方

同じカメラマンに年に何回も発注する場合、毎回15項目を書くのは現実的ではありません。変わらない条件を基本契約書に置き、案件ごとに変わる条件だけを個別発注書で回す形にします。分け方の目安は次のとおりです。

基本契約書(1回だけ締結する)個別発注書(案件ごとに発行する)
当事者の名称・連絡先案件名と発注日
著作権の帰属または利用許諾の範囲、対価の考え方撮影の種別・対象・納品カット数
レタッチに含まれる調整の範囲、修正依頼の回数と期限撮影日・納品期日
拘束時間の定義(現地到着から撤収完了まで)、延長の単価と単位撮影場所、開始・終了時刻、延長の上限
キャンセル料の段階と実費の扱い報酬の額(内訳つき)と支払期日
代替体制、予備機材、被写体の同意取得の分担検査を完了する期日
秘密保持、データの保管期間と消去案件ごとの撮影禁止エリア

個別発注書は、この程度の分量で足ります。基本契約の条件を引用する形にしておくと、案件ごとの確認が数分で終わります。

件名:個別発注書 No.2026-0◯(株式会社◯◯/11月度 商品撮影)

◯◯ ◯◯ 様

お世話になっております。株式会社◯◯ ◯◯部の◯◯です。
2026年◯月◯日付で締結した業務委託基本契約書に基づき、下記のとおり個別に発注いたします。基本契約に定めのある事項は、同契約の定めによります。

発注日:2026年◯月◯日
発注者:株式会社◯◯(担当:◯◯部 ◯◯ ◯◯)
受注者:◯◯ ◯◯ 様

■業務の内容
新商品◯点の白抜き撮影(1点あたり3カット:正面・斜め・ディテール)
納品:撮影データから発注者が選定した◯カット、JPEG(長辺◯px以上)と、Web用に長辺◯pxへ縮小したデータ
レタッチ:基本契約 第◯条の範囲(修正依頼は納品後◯営業日以内、◯回まで)

■著作権・利用の範囲
基本契約 第◯条の定めによります。今回の追加はありません。
※基本契約で定めた範囲を超える媒体で使用する予定がある場合は、この欄に範囲と対価を追記します。

■撮影日・場所・拘束時間
撮影日:2026年◯月◯日(◯) 予備日:2026年◯月◯日(◯)
場所:◯◯スタジオ(東京都◯◯区◯◯2-3-4)
拘束時間:13:00〜17:00(現地到着から撤収完了まで) 延長の上限:◯時間

■納品期日・検査の完了期日
納品期日:2026年◯月◯日(◯)
検査の完了期日:2026年◯月◯日(◯)

■報酬・支払
報酬の額:◯◯◯,◯◯◯円(税込) 内訳:撮影料 ◯◯◯,◯◯◯円/諸経費 ◯◯,◯◯◯円(スタジオ代・交通費の実費)
支払期日:2026年◯月◯日(◯月末日締切、翌月◯日支払)
支払方法:銀行振込(振込手数料は発注者が負担します)

■今回の撮影禁止エリア/特記事項
スタジオ内の他社商品が写り込む構図は不可。未発表商品のため、SNS等への現場写真の投稿はご遠慮ください。

ご確認のうえ、ご返信をお願いいたします。
株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯ ◯◯

基本契約を結んでいる場合、明示が求められる項目のうちどこまでを個別発注書で省略できるかは、義務の解釈にかかわる部分です。省略した項目がどこに書かれているかを個別発注書から参照できる状態にしておくのが安全ですが、運用を固める前に法務・顧問弁護士にご確認ください。また、取引が継続する期間によっては、条件の明示以外のルールも関係してきます。この点も含めて、社内の標準フォーマットを決める段階で一度相談しておくと、あとで作り直さずに済みます。

このテンプレートの使い方について

掲載したテンプレートは、撮影の発注で確認が漏れやすい項目を書き出すための雛形です。そのまま使って法的に有効であることを保証するものではありません。文言が自社の取引実態や社内規程に合っているか、条項の意味が意図したとおりになっているかは、社内の法務部門または顧問弁護士のレビューを前提にしてください。特に著作権の譲渡・許諾の範囲と、キャンセル料の設定は、会社ごとに考え方が分かれるところです。当社も業務委託契約と秘密保持契約の標準雛形を用意していますが、お客様の社内規程に合わせて修正いただくことを前提に運用しています。

発注書を交わすのはいつか|見積り依頼から発注までの順番

発注書を出すのは、見積りを比較して発注先を決めたあとです。順番としては、社内で撮影の要件を固める→複数社に同じ条件で依頼文を送る→見積りを比較する→発注先を決める→発注書を交わす、という流れになります。書面の役割が段階ごとに違うので、1つの文書で全部やろうとすると、どこかが手薄になります。

  • 社内で要件を固める段階:何のための写真か、誰が写るか、いつまでに必要かを決める
  • 依頼文を送る段階:同じ条件を全社に投げて、返ってきた見積りを横並びにできる状態を作る
  • 見積りを読む段階:撮影料と諸経費の切り分け、延長の単価、レタッチの範囲を確認する
  • 発注書を交わす段階:この記事の二層の項目を埋めて、書面または電磁的方法で明示する
  • 撮影の直前:進行表と撮影禁止エリアを、発注書の内容と突き合わせて最終確認する

2番目の依頼文については、撮影の相見積もりを取るときの正しい依頼文にテンプレートを載せています。この依頼文で条件を明確にしておくと、発注書に書く項目の大半がすでに埋まった状態になります。依頼文と発注書は別の書面ですが、内容は地続きです。1番目の社内での要件固めは、撮影を外注する前に確認しておきたいチェックリスト20項目で先に潰しておくと、依頼文も発注書も書くのが速くなります。

発注書を出すタイミングは、口頭で「お願いします」と伝えた直後です。条件の明示は直ちに行うこととされているため、撮影日の直前にまとめて書面を整える運用は、そもそもの趣旨から外れます。見積り承認のメールに発注書の内容を貼って返信する形にしておけば、承認と明示が1通で片づきます。

まとめ|発注書に書くのは二層の項目、書面でもメールでもよい

撮影の発注書に書く項目は、フリーランス新法 第3条が明示を求める8項目と、法律には書かれていないが撮影で揉める9項目の合計17前後です。8項目は義務であり、1回きりの単発撮影でもかかります。明示の方法は書面でも電磁的方法(メール・チャット等)でもよく、書類の名称は発注書でも契約書でも構いませんが、口約束では明示したことになりません。9項目のほうは、納品データの範囲、レタッチの範囲と回数、著作権の帰属と利用範囲、拘束時間と延長、中止・延期と費用負担、代替体制、被写体の同意、秘密保持と撮影禁止エリア、データの保管期間です。このうち著作権は、使用の範囲を超えて譲渡・許諾させるときはその範囲を明示し、対価を報酬に加える必要があるとされており、法律側の項目と地続きです。掲載したテンプレートは雛形であって、そのまま法的に有効であることを保証するものではありません。自社の法務・顧問弁護士のレビューを前提にお使いください。

私たち日本プロカメラマン手配は、企業専門のカメラマン手配サービスです。運営は株式会社ファーストブレイク(横浜市中区)、代表の私・宮崎大地は元カメラマンです。2012年の創業から、法人とのお取引は300社を超えました。全国の登録カメラマンから用途に合う人を選んでアサインし、打ち合わせ、当日の進行のディレクション、納品までを窓口として引き受けています。契約は当社との1本にまとまるため、カメラマン個人と個別に条件を詰めていただく必要はありません。業務委託契約と秘密保持契約の標準雛形をご用意しており、著作権の扱い、代替体制への協力についても条項として持っています。料金は拘束時間で組み立てており、ハーフ(半日・4時間枠)が60,000円+税=66,000円、フル(1日・8時間枠)が120,000円+税=132,000円。延長は30分ごと8,580円(税込・30分単位で切り上げ)です。標準機材と商用利用権は基本料金に含まれ、諸経費(交通費・スタジオ代など)は実費のパススルーで当社の上乗せはありません。料金の内訳は料金ページで公開しています。

この記事の次に読むと、判断が一段進みます

発注書の形が決まったら、次はその前後の工程です。

発注書のテンプレートは用意できても、条件のほうが埋まらない、という段階でしたら、見積りの相談からお声がけください。撮影日と場所、撮影する人数、写真の用途をお知らせいただければ、どの枠が必要か、延長が出そうな箇所はどこか、諸経費がいくらになるかまで書き出してお見積りをお出しします。そのお見積りの内容が、そのまま発注書の【3】から【9】に入る形になっています。契約書の雛形が必要な場合も、あわせてご相談ください。

よくある質問

撮影の発注書には何を書けばよいですか

フリーランス新法が明示を求める8項目と、撮影固有の9項目です。8項目は、発注者と受注者の名称、業務委託をした日、給付の内容、役務の提供を受ける期日、その場所、検査を完了する期日、報酬の額および支払期日、金銭以外で報酬を支払う場合の支払方法です。撮影固有の9項目は、納品データの範囲、レタッチの範囲と回数、著作権の帰属と利用範囲、拘束時間と延長、中止・延期と費用負担、代替体制、被写体の同意、秘密保持と撮影禁止エリア、データの保管期間です。個別の当てはめは法務・顧問弁護士にご確認ください。

発注書はメールやチャットで送っても問題ありませんか

問題ありません。取引条件の明示は書面または電磁的方法で行うこととされており、電子メール、SMS、SNSのメッセージ、チャットツール、ファックス、CD-R、USBなどが電磁的方法にあたります。どの方法を使うかは発注する側が選べます。ただし電磁的方法で明示した場合でも、受注者から書面の交付を求められたときは、遅滞なく書面を交付することになります。口約束だけで済ませることはできません。

書類の名称は「発注書」と「契約書」のどちらにすべきですか

どちらでも構いません。取引条件の明示について、書類の名称に決まりはなく、発注書でも契約書でも業務委託確認書でも問題ないとされています。実務では、条件が変わらない部分を基本契約書に置き、案件ごとに変わる部分を個別発注書で回す形が扱いやすくなります。名称よりも、明示が求められる項目が実際に書かれているかどうかが要点です。

撮影した写真の著作権は、発注書にどう書けばよいですか

譲渡してもらうのか、利用の許諾を受けるのかを選び、その範囲を書きます。フリーランス新法では、知的財産権が発生する場合で、業務委託の目的である使用の範囲を超えて譲渡・許諾させるときは、譲渡・許諾の範囲を明確に記載し、その対価を報酬に加える必要があるとされています。許諾の場合は、媒体・期間・地域・二次利用の可否・改変の可否の5点を言葉で特定してください。条項の文言は、社内の法務または顧問弁護士のレビューを前提にしてください。

撮影が雨で中止になったときの費用は、発注書にどう書いておけばよいですか

判断の主体・期限・連絡方法と、キャンセル料の段階、実費の扱いを分けて書きます。「撮影日前日の18時時点の予報をもとに発注者が判断し、当日9時までにメールで連絡する」のように主体と期限を決め、キャンセル料は「7日前まで無償、6日前〜前日は報酬の◯%、当日は◯%」と段階で書きます。スタジオ・機材レンタル・ヘアメイク手配などの実費は中止でも発生することがあるため、基本料金のキャンセル率とは別の行にして、各手配先の規定に従う旨を書いておくと説明が通しやすくなります。

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